「ありさ………。
大丈夫か?」

玄関に入ると、私の頬に手を当てた。


「うん……大丈夫。修司を……傷付けちゃった。」


「そうか……。」


そう言って、優しく私を抱きしめてくれた。


荻野さんの胸の中が優しくて……暖かくて……。


止まっていた涙が、また流れ始めた。