こんな気持ちのまま一ヶ月近くがたった。

自分の気持ちは、どんどん荻野さんに傾いていく。

逢いたくても、逢えない状況がそうさせるのか…。


ダメだと分かってるんだけど、我慢しきれなくなってきた私。

メールをしたら、荻野さんはバイトが終わって、もう帰って来ていた。


私の体が自然と、荻野さんの方に向かう。

まるで、魂全部が求めてるみたいに。


「はい…。」


ドアが開いて、久しぶりに荻野さんの顔を見たら、涙が溢れてくる。


「ありさ…どうした?」

突然の事に荻野さんがキョドっていた。


「逢いたかったの…荻野さんに。」