「んじゃあ行くな?帰ったら電話するから。」


「分かった。
行ってらっしゃい」

「行ってきます。」

軽くキスを交わして荻野さんは、ドアを閉めた。


前とは違う。

必ず帰ってきてくれるという安心感が有る。


私は早速、早紀に電話をした。


『もしもし、ありさ?
元基君が、ごめんね?

あんな事言うなんて
知らなかったから。
マジごめん。』


「ううん。
それはもう、いいんだぁ。
それより、どうしよう早紀…。
私、最低な事しちゃった…。」


『何、どうしたの?中井君と喧嘩でもしたの?』


「違う……。
私…私…どうしよう早紀ぃ…。」


『やだ、ちょっと、どうしたのよ、ありさぁ?
今から行くから、待ってな?』


そう言い残して、電話が切れた…。