私の腕を思いっきり引っ張るから、バランスを崩して荻野さんの腕の中にすっぽりと納まった。


「何……するの?」

心臓が大きく音をたてて動き出す。


言葉が上手く発せない。


「男と女が、一つの部屋にいるんだから分かるだろ?」


ゆっくりと私の髪を撫でる。


「やめ…て?」


怖いと思ってるのに振り解く事が出来ないでいる…。


「ありさ…彼氏いても、好きだ…。
理性とか、常識とか吹っ飛ぶ位、好きだ。
彼氏に渡さない…。返さない…。」


その瞬間、私の中の何かが砕け散った。

自然と、お互いの唇が触れ合った。