「ごめん、先行くな?また後でメールするな?」

「うん。行ってらっしゃい。」

靴を履いて、振り返った時、あたしは中井君に軽くキスをした。

少しはにかんだ笑顔で「行ってきます。
てか、何かありさ俺の奥さんみたいで、
そういうの嬉しいかも。」

照れ臭そうにして、部屋を出た。

あたしの恋は、今まさに始まったばかり。

荻野さんへの気持ちに蓋をして、鍵をかけた。

もう二度と……。


気持ちが揺るがない様に……。