「ん……。」

中井君の胸を叩くと、すぐ離してくれた。

「ごめ……。」

私から視線を逸らした。

「ううん。どうしたの?急に…。」

「さっき、誰の事考えてた?

いつか言ってた片思いの人の事?」

切ない目を私に向けた。

「ちが…う。」

「誰かを思ってる
そんな目だった…。それ位分かるよ、俺だって。
人を好きになった事有るから。」

「ごめん…。」

私は、中井君の顔が見れなかった。

心の中まで見抜かれてる気がして…。