中井君をフルの?

ううん…。

「私で…いいの?」
「ありさちゃんが、いいの。」

「まだ…完全に忘れてないんだよ?

それでも…?」

「それでも。

ありさちゃんが好きだよ?

ソイツの事、俺が忘れさせるから。」

中井君が、席を立って、私の隣に来た。
一人なら、少し広い椅子も、二人で座ると、膝同士がくっつきそうな位、狭くなる。

「分かった…。

私で、いいなら付き合って?」

「マジ…?」

フリーズした中井君が、目だけパチクリさせてる。

「うん…。」

「おっしゃあー!」
勢いよく立ち上がるから、観覧車が少し揺れた。

「ありさちゃんの彼氏ゲットしたぁー」
そう言って、力いっぱい私を抱きしめた。