「酔った俺は、何するか分かんねぇぞ?ガキはさっさと帰って寝ろ!」 鋭い目で私を睨んだ。 「あ…の…。」 怖い…。こんな荻野さん見た事ない…。 「悪い…。俺はお前を愛せない…。愛せないんだ。俺の母親は売春してた。お客として来た男との間に出来た子供が俺なんだ…。母親は焦ったけど、気付いた時にはもう降ろせなくて、仕方なく俺を産んだんだ…。」 「荻野…さん…?」凍り付く様な鋭い目は無くなって、何かに怯える小さな子供の目をして、ポツリ、ポツリと続きを話し出す。 「仕方なく産んだんだから、俺はいつも邪魔扱いで事有るごとに俺は母親から叩かれたり、蹴られたりしたし、酷い時はタバコの火を押し付けられた…。男と上手くいかなくなった時は最悪だった。」