「絶対、振り向かせるから…。」 さっきから心臓が煩い。 何で今日逢ったばかりの失礼男にドキドキするの? 私は荻野さんが好きなんだから。 「帰ろ!?あんまり遅くなると親が心配するよ?それに、女の子が出歩く時間じゃないしね。」 見た目と違って最もな事を言う。いやいや、まともな人間が初対面の人に濃厚なキスなんてしないから!! 「どうしたの?ありさちゃん。」 気がつくと、私一人立っていて、100メートル先に中井君がいた。 「どうしたの?気分悪い?」 私の立ってる場所まで帰ってきてくれて、私の顔を覗き込む。 「ううん…何でもない。」 「そ?じゃあ行こう。」 中井君は学校の事や、友達の事、趣味のサーフィンの事を話してくれた。