「俺も男だから好きな女の子に触れたい気持ちは分かるけど、無理やりとかはやめてよね?」


「そ、そんなことしません!」


「電話ボックスの中でヤバかったくせに」



……か、返す言葉もございません。



どしゃ降りだった雨もいつの間にかやんで、目の前には綺麗な虹が架かっていた。



「自分の気持ちより、今は嫌がらせを止めさせることを考えます。きちんと片がついたら……心ちゃんには気持ちを伝えます」


「うん。コソコソされるのは嫌いだから。もし本当に付き合うことになったら家に遊びにおいで」


「はい」


「正式に付き合ったからって手出すのはナシだからね? まだ14歳なんだからっ」



……そんなの無理だっつーの。



とりあえず適当に相づちをうっておいた。家まで送り届けてもらい親公認(?)の疑似付き合いが始まった。