「でもさ……明らかに心のこと好きだよね?」


「え?」


「好きじゃなきゃそこまでしないよね?」



……彼女にコクる前に彼女の父親に打ち明けていいものか。……いや、今はやめとこう。



「別に……」


「はぁ? 心のどこが不満なわけ!?」



怒られた――!!



「不満なんてないです! 申し分のない魅力的な女の子です!」


「素直に言えばいいんだよ。人を好きになることは悪いことじゃないんだから。幸せなことだよ?」


「はい……すみません」




なんだ……やっぱり彼女の父親だ。『人を好きになることは幸せなこと』って言葉……すごく心に響いた。



だって本当に俺は幸せだから。


彼女と話せただけで


笑ってくれただけで


手を繋いだだけで



すごくすごく幸せなんだよ……