「……花ちゃんのことだけど、心ちゃんはどうしたい?」


「きちんと話したい。花にされたことはショックだったけど、些細なことで笑い合った全てが嘘だったとは思えないから」



ああ、やっぱり君は強いよ。泣いて弱っていただけの彼女はもうどこにもいなかった。




立ち上がって手を差し出すと、少し笑って恥ずかしそうに俺の手に小さな手の平をのせてくる。



久しぶりのあの感触。もう二度と繋げないと思っていた手。諦めていた初恋の女の子の手。



今はきちんと重なり合っている……。




「愛斗くん……?」




不覚にも彼女の前で泣きそうになってグッと我慢した瞬間……