驚きと戸惑いを見せる彼女の隣にいる陽は俺達二人の顔を見合わせて



「は? は? コクる気か? ふざけんなっ! 心は俺の婚約者だぞ!」


「ああ、そう。相馬さん10分だけ。ダメ?」


「シカトすんなぁ!!」



憤慨している陽の頭をなおさんは無表情で叩いて、首根っこを掴んで店の奥にまた引っ込んで行った。



陽の雄叫びが聞こえなくなったのは、またなおさんの鉄拳をくらったからに違いない。