……幼なじみって……



「なおさんの子供?」


「そう、愛斗くんと心ちゃんのひとつ下なんだ。陽! 挨拶しな」



なおさんに言われて陽は俺に向かって右手をあげて軽く頭を下げる。



「チョリース」



………………………。
こ、こいつ後輩なんだよね?



「陽っ!」


「ぷっ……相変わらず軽いんだから。だからサッカー部の先輩に目つけられるんだよ」



ああ!
もしかして土屋 陽(ひなた)!?



サッカー部の泉が嘆いてた。一年で足が早いチビが入ったけどかなりの問題児。



「敬語がうまく使えない陽くんか。噂は聞いてるよ」


「は? 俺だって使えるっつーの!」


「じゃあ、使ってよ。俺、一応先輩だから」


「やだね! 一年早く生まれたからって威張んな!」




なるほど。これは手がかかる。



なおさんは呆れて、彼女はクスクス笑っていた。



その笑顔は……やっぱり俺にじゃなくて……陽にだったけど。