「へぇ。そっかそっか。コーヒー入れてくるから待ってて」


「え?」



なおさんはニコニコしながら店の奥に引っ込んでしまった。


まままさかわざとっ?
俺と彼女を二人きりにしていった?



……だけど全く向こうは気付いてないし。



話しかけるには絶好のチャンスだけど……とりあえず……



こんにちは……?いや、なんか固いし。なんて声をかけたらいいんだろ?



学校以外で会うのは初めてだ。制服姿しか見たことなかったから、私服姿の彼女を見るのは新鮮だった。



白いワンピースにレギンス。清純さを感じる彼女にはピッタリな服装で……




「私服かわいいね」


「へ?」




――思わず声に出してしまった。第一声がこれ。



俺……バカだ。
軽いチャラ男のナンパみたいな声のかけ方にかなりへこんだ。