「どういう意味?」
その先を聞こうとした瞬間、店の扉が開いて一人の女の子が入ってくる。
「こんにちは」
「心ちゃんいらっしゃい! 少し待っててもらえる?」
こ こ ろ !?
鏡越しから見た後方にいる女の子はどう見ても……
「あ、どこまで話したっけ?」
「……なおさん、ちょっとさっきの話は……」
俺は後ろの椅子に腰掛けている彼女を鏡越しに何度も見て、なおさんに苦笑いをした。
なおさんは俺の仕草に、口を大きくと開けて驚いた表情になる。
「……例の女の子?」
「うん」
さすがなおさん。勘がいい人だからすぐに伝わった。
当の本人は俺の存在には全く気付かずに雑誌を広げているけど。