5度目の春が来た。


俺達のデュオは『サンドラ』という。


結成して5年目。


最初、俺はソロで歌ってた。

2年目から当時俺のマネージャーをやってくれてた後藤真輝……真輝が ひょんなきっかけでメンバーになり、デュオを組んだ。



あれから5年目。




俺達は随分と変わってしまっていた。








「はよ。真輝」


「…………おはよ」


待ち合わせ場所でもあるマックに先に来ていた真輝は機嫌の悪い顔をしてテーブルに足を投げ出していた。



黒いボトムにラメ入りの黒いTシャツ。ごついブーツでサングラスだからかなり目立っている。



「今日、あの番組出演だろ?誰が出んの?何時から?」


「さぁ、わかんな……い」


「お前さぁ、俺のスケジュール位把握しとけよ!」


スコーンと勢い良く空の紙コップが投げつけられた。


「あはは……すいません。携帯で確認してきまーす」


「ったく、早くしろよっ!」



真輝は朝は特に機嫌が悪い。

ましてやテレビの音楽番組以外の番組出演は大嫌いなのでよりいっそうに怒り度合いが凄い。



真輝は朝は特に機嫌が悪い。

ましてやテレビの音楽番組以外の番組出演は大嫌いなのでよりいっそうに怒り度合いが凄い。



真輝は立っているだけで美形だ。

身長は少し低いし、体型もポチャだけど、顔が充分に欠点をカバーしていた。



最近、とある投票型深夜番組で『若手アーティストファッション投票』という企画に真輝が呼ばれた。


書類審査で通った仕事。



10週に渡って投票を競う勝ち抜き戦だ。 深夜番組の中では異色でかなりの長寿番組だった。


真輝は初登場から連続優勝を勝ち取っていた。