俺がかよっ!


「いや、前から思ってたんだけど、後藤君の容姿なら今からアーティストになってもおかしくないかなって」


「でも22ですよ」


「大手事務所のミュージシャン達は後藤君より年上もわんさかいるよ。なかなか大御所が引退しないからね」


「はぁ……」


「マネージャーのままなんて宝の持ち腐れだよ。武蔵とさ2人組かこの間入ってきた後輩と4人組でもいいし。どう?考えてみてよ、ていうか社長命令だから」


「ええっ!」


「お願いっ!事務所を助けると思って」

「命令ですか?それ」


「うん。絶対命令」

「マジすか……」



歌ねぇ。

マネージャーより給料出るのかな?


「俺何にも出来ませんよ。歌は致命的だし、ギターは少し趣味で弾ける位で…しかも譜面かじりつかないと弾けないし」


「いいのいいの!後藤君はいるだけで絵になるんだから。歌無理なら後藤君がギターで武蔵が今まで通りに歌えばいいし」


「保証出来ませんよ?」


「ウチの事務所も知ってる通り、ロクな連中いないでしょ?仕事もロクなの入ってこないしさぁ、武蔵に至ってはオーディションも通らないし…だから助けると思って。」



「そこまで言うなら…………」


「本当?ありがとう!ようやくウチの事務所もこれで安泰だわ」


「で……お給料の方は」


「あー、もし良かったらアイドルしながら当分はさ後輩のマネージャーとかやってよ。大丈夫、心配しなくても最初からなんて仕事来ないから」



それじゃあ今までと変わらないじゃねーかっ!!


「あ、レッスンは行ってきてね」


「レッスンですか?」


「うん。後藤君、歌も踊りも演技もやったことないでしょ?だから週に2回は武蔵と行ってきてね」


「はぁ」