突然の出来事に、俺は放心状態。



「あたしからの、プレゼント」



美綺はそう言うと、俺から離れて部屋を出て行った。



「…………」



さっきの笑い、なんだったんだ?



"ニヤッ"って笑ったよな?



「はぁ…」



俺はため息を付くと、美綺の部屋を出た。



「流二?朝ご飯だって」


「ああうん。分かった」



「先行くね」



美綺はニコッと笑って、俺の前から立ち去った。



「…………」



俺も食堂へ降りた。



―――――…



「いただきます」



美綺はそう言うと、トーストを大きく頬張った。



「うーん。おいしい♪」


美綺はさっきの涙がウソのように笑顔だった。



「…………」



美綺のペースに着いて行けない。



すると、俺のケータイが鳴った。



「もしもし」



ディスプレーを確認して通話ボタンを押した。



「あっ、流二か?今日お前ん家行くって聞いてるよな?」



「ああ」



「そっか。10時くらいにはそっち行くから」



「分かった」



「じゃあまた後で」



「おーっ」



そして俺は電話を切ってポケットに入れた。



「……誰から?」



美綺が不思議そうな顔をして聞いた。



「啓悟。今日行くって聞いてるよなって」



「そっか」



すると美綺は食べる手を止めて、俺をジッと見た


「……なんだ?」



「あたしね……さっき夢の中で、流二に言われたの」



美綺は下を向き、静かに話し出した。



「……え?」



「お前は俺の気持ち分かってない。……自分勝手だって」



美綺は悲しそうな声でそう言った。



けど、俺と目を合わせようとしなかった。



きっと……たとえ夢でも、そう言われたことがショックだったんだと思う


……あっ、だからあの時寝言であんなこと言ったのか…。