(しまった!ポリ公に声をかけてしまった!)
エリザベートは自分が重大な過ちを犯してしまったことに気がついた。
「アッ!」
警察官は叫んだ。
(美しい・・・なんて美しい女性なんだ。可憐で、はかなげで・・・俺が普段、警察署で一緒に仕事している、気が強くてごつごつした女性警官たちとは大違いだ・・・)
警察官・知念衛は恋に落ちた。
「お嬢さん、もう安心です。恐ろしい犯罪者は本官が射殺しました。さあ一緒に、モーングでも食べに行きましょう」
衛は陽気にエリザベートをパトカーにいざなった。
(ああ・・・捕まっちまった・・・刑務所にぶちこまれる・・・)
エリザベートはぶるぶる震えた。
そのとき、ピクリ、大地に倒れた運転手の体が動いた。視界の端でそれを確認した衛はすぐに振り返り、「しつこい奴め!」と、運転手の体に2発、銃弾を撃ち込んだ。