グリーン・３

祠の前で、子狐は一匹で、何かが起きる瞬間を待った。
（何がおきるのだろう・・・シャワーヘッドとは、なんだろう？）
わからない。わからない何かが、自分に迫り来る恐怖に、小さな子狐は気を失ってしまいそうだった。
（ああ、山はどうなってしまうのだろう。山にも空にも、何も変わったことはないのに・・・空？）
子狐は、ふと、頭の上にひろがる空に違和感を感じた。
（なにかが、おりてくる）
小さな、子狐よりも小さななにかが、まっすぐゆっくりと降ってきて、子狐の目の前に、大地にコトンと落ちた。
それは、シャワーヘッドだった。
「きゃー！怪奇現象ですー！」
子狐は祠の裏にある洞穴に走っていった。