「優架、呼ばれてるよ。」
 
「えっ?」

友達、マキの人差し指の先に目をやると。

階段の踊り場の隅っこにもたれる男子。
なーんとなく、見たことある顔。

チラっとこっちを見てはプイと前を向く。

なんか…怖い雰囲気。
あのへんだけ空気悪いよっ!

「え、何かなあ~?」

「さあ。告られんじゃね?行ってこい!」

そう言ってマキは私の背中をドンと押して
「じゃ~ね~!」と走って行った……。