「よし。終わりだ。」
やっと終わったよ~っ
「じゃあたし病室もどります」
そう言って立ち上がったら腕を掴まれてまた椅子に座り込んでしまった。
「お前、なんか忘れてない?」
「‥え?」
「なんで勝手に抜け出したんだよ」
低い声が響く‥
こわいよっ
すっかり説教のこと忘れてた。
「あの‥あたし‥もう具合も良くなったから‥いいかなーって‥」
「具合なんて良くなってないだろっ。ただ逃げたかったんじゃないのかっ?」
「‥‥」
「高校生にもなって恥ずかしくないのか」
「‥だってっ!」
「だってじゃない。俺は瞳のためを思って言ってるんだぞ。ちゃんと自分の体のことわかってんのか?」
「‥‥」
「はぁー‥とにかく、今は調子良くないんだから大人しく寝てなさい。わかったか?」
「‥はい。‥ごめんなさい。」
「次抜け出すのは許されないからな。」
「‥はい」