「あっ、はい。そうですけど……なんで?」
どこから得た情報かを尋ねる意味での「なんで?」だったのだが、友紀はちゃんとその意味を汲んでいた。
「瞳ちゃんに聞いたの。ねぇ、私小説読むの大好きなのよ。順之助くんが書いたやつ、読ませてよっ」