順之助は鞄の中に入れていた小さな紙きれを取り出すと、片手でくしゃりと握り潰しごみ箱へと放り投げた。
まさに今日、友紀に自分のアドレスを渡そうとしていたところだった。そろそろプライベートでの付き合いを始めて、友紀にもっと近付きたいと思っていた。