そのときの梓は放心状態だった

ただただ前を向いてボーっとしていた


そしてそのままボーっとお風呂に入り

ボーっと寝て

ボーっと朝が来た


「朝か・・。」



「学校行こ・・・。」


ガラガラ


もう梓の目に生気はなかった


『おっおはようございます』

ネクラ君があいさつしてくる

「・・・。」


『どっどうしたんですか?』

「なんでもない。」

『そうですか・・・。』

『長谷川さん。』

「何?」

『先生がよんでましたよ?』

「分かった。」




【長谷川ぁ!早く病院いってこい!】

「なんでですか?」

【なんでって両親入院したんだろ?】

「あ。はい」

【はやくいってこい!】


 テコテコ
ゆっくりゆっくり歩きながら
    病院へ向かう

いつもの梓ではない
  元気のカケラもない