「お前マジでやめとけって」

俺〈矢吹 仁〉 現役高校生。

今俺は友達の〈入江 竜介〉が、閉まった門をのぼろうとしていたから止めてる。
「遅刻したんだから、先生探して開けてもらおうぜ」
「嫌だよ。怒られんじゃん。」
竜介は一度言い出したら聞かないからなぁ。
「わかったよ。」
そう言って俺と竜介は門を越えた。

グラウンドを歩いてたら教室から知らない女子がこっちを見ていた。

「誰?アイツ」
あれ、俺のクラスだよな。
竜介が俺を見てニヤッと笑いながら
「もしかして、一目惚れ?」
はぁあ!?
初めて見たっていっても、この距離だから!
この距離で一目惚れはない。

「あの子、以外と可愛いよね。」
竜介!この距離で顔、わかるのか!?
スゴイな。
「竜介、視力は?」
「え?6.0だけど。」
はぁあ!?
6.0!?
「お前、どっかの民族かよ!」

「う~ん。2.0はあるよ~。」
そう言いながら竜介はその女子に手を振っている。

いや、確実にアイツ怖がってるよな?
顔は見えないけど…。
「やめとけ。」
冷たく言い放った。
「仁、優しいね~。ついでに彼女もつくれば?」

「…何言ってんだよ。」
確かに俺は今彼女は、いない。
付き合ったことはあるけど、正直言って面倒くさいだけ。

話したこともないのに、いきなり『好きです。』って、何で?って感じ。