「もう帰っちゃうの?」


隣で裸のまま寝ているモデル仲間の女が言った。


「もう用はないだろ」

「ひどーいッ!!なんか身体だけが目的みたいじゃん!!」


何を今更……。

その通りじゃねーか。

お互い感情なんてどこにもないんだから。


オレたちは、ただ性欲を満たすためだけの関係。


マジな恋愛なんてする気はない。

だから特定の女なんかいらない。

こうやって好きな時に抱ける女がいれば、それでいい。


女の言うことなんか無視して、床に散らばった服を拾ってさっさと身支度を始める。


「地獄に落ちちゃえ!!」


痺れを切らしたように、“今日の”女が金切り声で叫ぶ。


だけどそんなこと、同類のお前なんかに言われたくないっつーの。


「お前もな。彼氏にバレねぇようにしろよ」


そう捨て台詞をはいて部屋の扉を閉めた。



「くだらねぇ」