「新入生の皆さん―…」


満開の桜、ピカピカの真新しい制服、一生懸命に写真を撮る親。

その日は南中学校の入学式だった。


みんな緊張している中で、1人だけ爆睡してる女子がいた。


「唯っ!起きてよ!」


「…ん、式終わった?」


「何言ってんの!まだ始まったばっかだよ。てか見てよ、あの生徒会長!ヤバいかっこよくない?」


私は大きな欠伸をしたあとに小さい声で「興味ない」と返した。だって、どうでもいいんだもん。