「松本ーっ!」
「ぐぇっ!」
 入学式の終わった放課後、僕は高峰に後ろから首を絞められた。
「―っ! けほっ…けほ…」
 僕の目は涙目だ。息ができない。
「松本ぉ」
「殺す気か! おまえ、殺人未遂だぞ! 訴えるぞ!」
 僕は首に巻きついた高峰の手をふりほどく。
「なんだよ。俺の感情表現だよ」
「ふざけんなよ! もうちょいで死ぬところだったんだぞ! お前の感情表現は殺人か!」
 僕は高峰の首をやり返しのつもりで絞める。
「松本、お前はそんなに俺を愛しているのか!?」
「はっ?!」
 僕は高峰の首から手を離す。どうやら、抱きついていると勘違いされたらしい。
「松本、ちょっと来てよ」
「は? どこに?」
 僕は帰る気満々に鞄を持って聞く。
「合コン」
「はぁ?」
「人数足りねぇんだよ。ちょっと…な? 座っとくだけでいいから」
「嫌だよ。なんでそん…っ! おい! 高峰っ! 苦しっ…」
 半死の僕は高峰に担がれて合コンへと拉致された。