「ほら、帰んぞ?」 そう言うと爽はあたしのカバンをヒョイッと取り上げた。 「ちょっ、自分のカバンくらい持てるわよ?」 「真緒が持つのはこっち。」 爽が差し出したのは爽の左手。 なんで手? あたしが爽の手を見つめながら考え込んでいると「気づけよバカ。」と言ってあたしの手を握り歩き出した。