洗い物を終えて、手を止める。 「悠の目、悲しい目をしてるよ?」 悠が私の過去を包んでくれたみたいに、私も悠の悲しい何かを包んであげたい。 もっと悠のことを知りたい。 「キッチンじゃ、ね?」 そう言って悠はリビングのソファーに座った。 「過去って言っても、たいしたもんじゃ無いけど…」 「何でも良いよ。話してくれれば、私は嬉しいから」 私は悠の春風になれるかな…