「綺羅、デート行こうよ」


「…買い出し?」


「買い出しデート」



外はもうすっかり冬が来てて、すぐに指先が冷たくなった。



「手」


悠が手を差し出す。



「たまには、外でもカップルみたいなことしたくない?」



私はそっと悠の手を握った。



大きくて、優しい手。



ほんのり冷たかったお互いの手は、二人の体温を共有するようにちょっと暖かくなった。



今すっごくデートしてる…



ただ歩いてるだけだけど、無言だけど、なんか楽しい。




行き先はスーパーだけど…



まぁ、行き先は関係ないってことで。