「どう説明してくれんの、麻那チャン?」
「ちょっと来て!」
腕をつかまれ引きずるようにしてつれてこられた屋上。
気づけば麻那の顔は真っ赤。
「あんな噂ぁ…恥ずかしー」
「噂?事実じゃん」
「綺羅はよく耐えてたね」
「なにを?」
「噂」
私の噂なんて、たかがフィクションだし。
事実じゃないから、恥ずかしがる必要もなかった。
「公園でキスできる人が、噂で恥ずかしがってちゃねぇ…」
「うー、だって陸がしようって言うんだもん」
「だから、そこまでの流れを説明しなさいよ」
麻那は観念したように喋り始めた。
春は、麻那にもやってきたみたい。