放課後の進路室は、試験目前の三年生のほかは誰もいなかった。
受験間近という空気が流れている。
あいているパソコンの前に二人で座る。
慣れた手つきでキーボードを叩き、ホームページを開いた。
「何を調べるの?」
「それが…わかんない」
照れくさそうに自分の頭をくしゃくしゃとした。
「興味とかあんまなくて、何して良いのかさっぱりなんだ」
私の口からは盛大な溜め息しか出てこなかった。
永浜悠がムッとしたように私に質問をした。
「じゃ、綺羅のやりたいことって何?」
私はこの質問を的確に答えることは出来なかった。
興味のあることってなんだろう。
特別得意な科目があるわけでもないし、これといった趣味もない。
パソコンの前で二人は黙り込んでいた。