あれから浅木の家は駅を挟んで家と同じくらいの距離らしい。
「なぁ…朝も一緒に行って良い?」
と言う永浜悠の願いを断れず、毎朝三人で登校することになった。
「ねぇ綺羅!また変な噂流れてるよ?」
「どんな?」
「男二人を連れて…」
「ああ、あれ?悠が浅木も朝一緒にって言うから、女一人、男二人になってるだけ」
「そうなの?まぁ確かに、永浜くんと浅木くんは仲良いよね。なんか幼なじみみたい」
「麻那も朝一緒に登校してくれない?そうすれば噂も解消されて楽なんだけど」
「良いの?二人の時間、邪魔してない?」
「今は三人なんだから、四人になろうが一緒」
永浜悠はこのことを快く承諾した。
相変わらず何考えてるか読めないけど、奴がここまで他人を相手にするのは珍しいことだから、しばらく観察することにした。