「いやー助かったよ。パン余ってたから」


「俺も助かった。昼、どうしようかと想ってたから」



二人は仲良くパンを分け合って食べている。



…なんか、仲良くない?



パンを頬張りながら浅木陸が私を見た。



「悠の彼女?」


「はい」


「へぇ…」



なんだその反応は!



だいたい奴の口はどうなってるんだ!?



さっきから休みナシに口を動かしているが、飲み物を飲まない。



パッサパサのはず…


いい加減水分とらないとのどにパンを詰まらせるよ?



「ッげほ!」


「…やっぱり」


「なんだよ?」


「水飲まないでがっつくからよ」


「うるせ…」



ふてくされてる浅木陸に水の入ったペットボトルを渡す。



一瞬ためらって、水を受け取る。



「さんきゅ」


「…悠に笑顔、教えてもらえば?」




ふいっと顔をそらされた。


まったく…