それから時間が流れれば流れるほど綺羅から表情が消えていった。



あたしは綺羅をいじめてた奴らになんでいじめを止めたか聞くことにした。



引っかかるのは、中村が言ってた「人はタダじゃ動いてくれねぇんだよ。」って言葉。



一年以上続いていたものが、こうもあっさりなくなるものなんだろうか。



絶対何かがあるはず。



いじめを止めさせた何かが。





「ちょっと聞きたいこと、あるんだけど。」


「何?」


「なんでいじめを止めた?」


「あ〜あれ?中村がさぁ、余りに必死になるから…」


「違う。」



あたしは睨みつけた。



「そんな簡単な理由じゃ無いでしょ?今、綺羅の身に起こってることも。」


こうなったらこっちから言ってやるしかない。


「あははは。解っちゃってるならしょうがないか。」