永浜悠は一人暮らし。


家族は?親は?兄弟は?



謎だ。



けれど聞かない。


話したくなったら、向こうから話すだろうから。



「どうぞ。」

「お邪魔します。」



物は必要最低限のシンプルな部屋。



物が少ないせいか、片づいている。



「適当に座ってて。ミルクティー好き?」


「うん、ありがとう。」



部屋に甘く、ほろ苦いにおいが広がった。