そんな非現実的な考えからさめたのは、ふと窓の向こうに見える一つの人影だった。 そんなはず、ない… 見間違い。 見たくない。 知らない。 震える身体。 「綺羅?」 異変に気づいた悠が声をかけてくれる。 「あ…なんでもない…」 見間違いだよ。 そんなはず無い。 『中村』がいただなんて…