悠の家からも学校からもほど近い場所を見つけた。
地理に詳しい街の猫様にも、助言をいただいたからばっちりだ。
スーパーもコンビニも、駅も、なによりも日当たりが良い。
家の中で日向ぼっこができるくらい。
ここ重要。
そして最後の夜。
あらかじめ、悠のいない昼間の時間に、自分の少ない荷物をまとめる。
いつも通りの時間が流れてゆく。
夕方に悠が帰ってきて、夕飯を食べて、風呂に入って寝る。
俺は日が昇って間もない、まだ薄暗い時間にこっそりと起きる。
物音をたてないように、細心の注意を払う。
今までお世話になったベッドを綺麗にして、置き手紙を書いた。
また逢おうな、悠。