父ちゃんにもらった紙を手に取って見た。



ボールペンで書いてある手書きの字。



そこには、名前と住所が書かれていた。



永浜悠



父ちゃんの正妻の子供。



父ちゃんは一体、どんな父ちゃんなんだろう。



悠には、友達がいないって言ってたな。



俺は人間の友達はいないけど、独りぼっちじゃない。



沢山の猫たちがいるし、何より母ちゃんがいる。



父ちゃんがいなかったことに対してだって、何とも想わなかった。




悠は友達いないって、でも、父ちゃんがいるのに…




それまで膝の上で気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた猫が、急に降りた。



顔を上げると



「母ちゃんと父ちゃん…」