いつも暖かい家には、いつもとは違う空気が流れている。
「陸?最初、二人で話がしたいの…だからちょっと外してもらえる?」
「わかった」
外には俺の友達が沢山いた。
なにか異変を嗅ぎつけたのだろう。
俺が手を差し出すと、すり寄ってきた。
俺は適当なコンクリートの上に座ると、友達が膝の上に登ってきた。
春はまだ遠い。
刺すような寒さが体にあたるが、膝の上は暖かかった。
俺が撫でると、なんだか寂しそうに「にゃ…」と鳴いた。
解るのか?
俺がここを離れるかもしれないことが。
「なぁ、俺はどうしたらいいんだ?なんだか自分が解らない。俺はどおしたいんだよ…」
突然現れた父ちゃん。
母ちゃんは泣いた。
その泪の理由はなんだろう?
なんだか難しいことばっかりだ。