「陸…父さんと呼んでくれるのか?」
こんな時、どんな反応をすればいいのか解んない…
全く思い出のない父ちゃん。
多分、今初めて逢ったと想う。
俺の父ちゃんは、俺だけの父ちゃんじゃないんだ。
そっちは?
なんでここにいんの?
ほったらかされるのは、俺と母ちゃんだけで十分だ。
「帰りなよ、家族の所に」
なんだか胸が痛くなった。
何とも言えない気持ちが、ぐるぐる渦巻いている。
俺は父ちゃんを責めたいのだろうか、それとも、甘えたいのだろうか。
今更になって、急に逢いに来られても困る。
母ちゃんは父ちゃんが来てることを知ってるのかな…
「父ちゃんは父ちゃんだけど、家族じゃない…俺の家族は、母ちゃんと、猫たちだけ。ちっちゃい頃からずっとそうだったし」