悠は、俺の存在をどう想うだろう。
俺と悠は半分だけ血がつながっている。
俺は幼い頃から母ちゃんに育てられた。
父ちゃんは写真の中でだけ見たことがある。
母ちゃんと二人で幸せそうに微笑んでいる写真。
俺にはこの笑顔が不思議で仕方なかった。
こんなに幸せそうなのに、なんで離れ離れになってるんだろうって。
幸せってそんなに冷めてしまうのだろうか…
母ちゃんは毎日のように、俺に語りかけてくる。
「あなたは、ちゃんと愛されて生まれてきたのよ」って。
俺は正妻の子じゃない。
だから家に父ちゃんはいないんだ。