ユイの呼吸は硬く凍り付き、一方で心臓は乱れ踊っていました。

 時間とは何なのか。
 「間に合わなかった…!?」
 ユイは呆然と、その言葉を口にしました。間に合わなかったのか、と。

  
 しかし…
 時間とは何なのか。
 
 私は彼を愛していた、億万年前から変わらないのに。
 
 私は彼を愛している、億万年後も変わらないのに。

 
 「私…アナタの事……好きなのに……」
 それが『今』を以って、もう、二度と会えなくなってしまったのです。

 「『今』、って何よ……」
 ユイは座り込んで両手で顔を覆いました。
 「“こんど”なんか、いみ…ない…。『今』会いたいのに…!」