真実とは、自分で見つけるしかないのです。

 「…そんな…。分からないよ」
 ユイは途方に暮れてしまいそうになりました。一瞬、体が量子化して宇宙に同化してしまいそうになりました。
 
 けれど、と、彼女は涙を堪えました。

 その星に似つかわしくないほど巨大な衛星が、凄まじいスピードで回転していました。その星自体も驚くべきスピードで太陽を公転していました。

 ―― 時間が無いのです。


 ユイは胸に手を当てました。
 瞳を閉じ、心に問いかけました。
 「お願い、呼んで。
 呼んで、ワタシを。呼んで、アナタが」


 いったい、その声は何処から来たのか…。
 「ユイ、ここだ…。僕の名前は………」
 しかしユイは確かにそれを聞いたのでした。
 
 
 「――ッ!!」
 ユイは瞳をハッと開くと、高く跳躍しました。
 『地球』の重力という差し伸べられた手をとるように…。
 
 宇宙を蹴って、一直線にその星の彼のもとに。