おまけに、息はすぐに上がってしまいました。

 体育でやるような2、3キロの持久走などを辛いと思ったことも無いユイにとって、それは非常事態でした。


 足は動かず、わき腹は激痛、肺はちっとも働こうとしないのです。

 
 それでもユイは進みました。這ってでも進んでいきました。太陽は優しく、しかし厳しくただ彼女を照らすだけでした。

 あとは、君自身の問題だ。

 そう言わんとするように、手を差し伸べてはくれないのです。


 「うん…」
 ユイは太陽に言いました。
 もちろん“太陽の正体”は、知りません。
 我々が知るだけです。
 ……でも。
 けれども、心では分かっていたのかもしれません。

 「がんばるよ、がんばるから」

 だって、その“光球”は、こんなに優しいのですから。


 ………

 息も絶え絶えに、匍匐前進でユイは進んで、
  「…ハァ、ハァ……。 き、君は……?」
 ついに、次の惑星に辿り着きました。


 『天王星』です。