「……そうか。 そうか、アナタはッ!」
 

 ――『海王星』!!

 お頭の悪いユイでも、その認識は然りでした。



 「ってコトは、“ココ”は…!?」


 その認識を持ったその瞬間、ユイはリアルな有理的な存在へと転移したのです。
 
 制服は内的イメージから、有機物的な生地へ…。
 全身は胎盤宇宙から乖離して、生ける五体へ…。


 量子的な不確定の砂漠を抜け出し――

 「そうか、この光は…」
 
 ユイは“自分の手”を、光に伸ばしました。彼女はもう、曇りガラスの檻に閉じ込められていた、自他の境界が朧だった、曖昧な存在ではありませんでした。


 「この懐かしい星(子)は…」

 
 そうです。
 その恒星を、人は―――

 『太陽』
 
 と呼ぶのです。