「暖かいなぁ……」
 今まで無かったはずのその星は、まるでユイを迎えるように、彼女の流されるまさにその方向で柔らかな橙の光を放っていました。
 「優しい星(子)……」 
 彼女は再び眠りに落ちていきます。
 
 
 ユイが眠っている間にも、その原始星は瑞々しく輝いて、活発に周囲の物質を取り巻いて、その円盤の中から、次々に子供達を生んでいきました。


 ……そして、50億年後……

 彼女が目を覚ますと、すぐ隣には大きな青い惑星が寄り添っていました。
 「あは!あははは。 アナタ、海しか持ってないんだ?」

 私の生まれた星とは違うね、とユイは笑ったのでしょう。

 その屈託のない笑みの通り、その惑星は、大陸を持っていないように見えました。

 「イルカの王国?」


 その冗談に――

 【まぁね。ポセイドンだからね】
 と、その惑星は笑いました。